|
最近メディアを通じて、医療ミスや医療過誤のニュースをよく聞きますが、それらのケースを見ていると、明らかなミスや悪意のある治療的行為以外に、事前の説明が不足していたことが原因になっているものが目に付きます。きっとこれらの内の何割かは、きちんとインフォームドコンセント(説明と同意)が確立されていれば、問題は起き無かったのではないかと思われます。
インターネットでこのページにアクセスされた方々には、釈迦に説法かもと思いますが、念の為に、もう一度確認していただきたいのは、医療(治療)はいまだ完璧な物ではないという事です。特に歯科医療は、完全にもとの組織形態で機能を回復する「治癒」のケースはまだまだ少なく、本来の組織と形態ではないが、病状を悪化させることなく健全に機能する「修復」がほとんどです。
I. 虫歯を削ってつめる II. 歯を抜いてブリッジをいれる III. 入れ歯やインプラントで機能回復をはかる
などは、すべて人工物による修復にすぎませんから、どうしても完全に元通り歯というわけにはゆきません。患者さんには、事前にかなりの時間をさいて説明はしているつもりなのですが、やはり中には実感がつかめなかった為か、総入れ歯を初めて使う患者さんから、「フランスパン(バゲット)を噛むと圧迫感がある」「蒸しあわびは問題無く食べられるが、生のあわびが噛み切りにい」「ガムが歯につきやすい」とクレームを頂いた事も…。
こんな時には、患者さん側と医療人側との常識の温度差を感じてしまいます。もしこれが重篤なケースであったら、きっと医療ミスと怒られてしまうことでしょう。
タイトルのインフォームドコンセントは、「説明と(納得の下の)同意」とよく意訳されています。事前の説明で、納得行かなかったことには、急いで同意しないことが大事ですが、事前説明でしっかりと納得するためには、患者さん一人一人の医学知識の向上も必要なのではないでしょうか。
「難しい事を聞いても判らないから、医者にすべて任せている」は、昔話にしたいものですね。 |